
ゴルフクラブには鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)という、2種類の製造方法があるのをご存知の方は多いかと思います。一般的に鍛造で製造されているヘッドは、FORGED(フォージド)と書かれていることが多いです。
ゴルフを始めたばかりの方には、「鍛造品は上級者が使用するもの」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?(本当はそのようなことはないのですが…)
では、この2つの製造方法は、具体的にどのように異なり、どのような違いが生じるのでしょう。

両者の違いは成型方法にあり、簡単に言うと「熱した金属(固体)を金型で圧縮成型したものが鍛造」、「溶かした金属(液状)を型に入れ冷却成型したものが鋳造」ということになります。
鍛造のメリットは、圧縮する際に金属内部の結晶が整い、さらに気泡を除去できるため、強度があり品質を保ちやすいという事にあります。一方鋳造のメリットは金型が作成できれば複雑な形状のものも作れ、鍛造では成型できない素材や、複雑な素材の組み合わせが可能になるといった事が挙げられます。

そして一番の違いは製造コスト。鋳造の方がコストが安く大量生産に向いているため、比較的安価なアイアンによく使用されています。また、複雑な素材の組み合わせが多いポケットキャビティ構造のアイアンにも、鋳造がよく選ばれています。
ではなぜ上級者が鍛造品を選ぶ傾向にあるのか?それはやはり軟鉄鍛造品独特の柔らかい「打感」、そしてある程度自分に合わせて道具を「調整できる」ということに尽きるでしょう。